2010年9月19日日曜日

モジュール化とインテグラル アップルの戦略

「現在の状況は、アップルとマイクロソフトがパソコンの覇権競争を繰り返した一九八〇年代に似ている。 (中略) それは(引用者注:アップルは)マッキントッシュなどの優れた製品を生み出した八〇年代と同じ囲い込み戦略を使っている。それに立ち向かうグーグルとインテルはオープンプラットフォーム方式で戦いを挑んでいる。もちろんアップルは賢い企業なので、ウィンテル時代と同じ失敗はしないだろう。」(*1)

1980~90年代に独自路線を貫いたアップルは典型的なモジュール・アーキテクチャのPCに破れ、それ以降ICT業界ではモジュール化、オープン化が金科玉条となっている(ICT業界以外でもモジュール化が当然に進行するのかは興味深い論点だがここでは触れない)。

しかし。2010年現在、アップルはiPod, iPhone, iPadで世界中を席巻している。これらのプロダクトはハード、ソフト、さらにはネット上のアプリケーション/コンテンツであるiTunesが統合されている。
このような統合化=インテグラル・アーキテクチャは、ICT産業の定理に反するものであり、やがて消えていくのか? そうでないならば、即ち小池が言うようにアップルが「同じ失敗はしない」のであれば、ICTのモジュール化神話が崩れるのか?

iPad新発売、iPhone4リリース、iPod新型発売とアップル絶好調のこの時期に、世論の逆風を省みずあえてアップルのインテグラル戦略を考える。

(買ったばかりのiPadを傍らに。でもこの文章はPCで書いてます)

*1 小池良次「クラウド」 インプレスR&D 2009,p263

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